まず最初に知ってほしいこと。
依存症は「脳内報酬系異常」という
脳の病気であるということです。
多くの人は依存症者のことを「意志が弱い」「だらしない」「やる気がない」「嘘つきな人」など、その人の性格や意識の問題だと思い、責めたり罰したりしてしまいます。
しかし、大切なことは依存症は「脳の病気」であり、その人の人間性の問題ではないのです。
依存症は進行性の病気のため、専門的な治療が必要とされます。
決して、責めたり罰したりして回復する病気ではありません。
大切なことは、医療につながり治療を受けることです。
まずは、脳の病気であるメカニズムを知り、それが様々な問題を引き起こしてきたことを理解していきます。そして、再発防止を目指すための対処法を獲得し、自分の生き方を整理していきます。
回復は「元の状態に戻る」ではなく、その人の人生の発展を意味しているのです。
アルコール依存症とは
アルコール依存症とは、長期にわたりアルコールを飲み続けることによって次第に飲酒のコントロールが困難となり、健康や社会的な問題が生じているにも関わらず、飲酒量をコントロールしたり、やめたりすることができない状態にあることをいいます。 以下はアルコール依存症の症状であり、アルコールがないと心も身体も苦しくなります。
●精神依存:脳の働きが変化することで生じる依存です。「お酒を飲みたい」という強烈な欲求からコントロールが効かなくなっていきます。
●身体依存:アルコールの飲酒を習慣的に続けていると、飲酒をやめたり減らしたりした時に離脱症状と呼ばれる症状が出現します。代表的な症状は不眠・発汗・振戦(手のふるえ)・不安・イライラなどがあり、重症化すると幻視(人・動物・虫などが見える症状)やけいれん発作を起こしたりします。そのため、症状をとめるために飲酒する悪循環に陥ります。
薬物依存症とは
覚せい剤やコカイン、大麻などが代表とされる薬物には、さまざまな精神障害を生じさせる性質があります。薬物依存症になると、くり返し薬物を摂取していくことで、精神的にも、身体的にも、対象薬物なしではいられなくなる状態にまで陥り、もはや自分の意では薬物の使用をコントロールできなくなっていきます。
覚せい剤やコカインは脳の興奮を高めていき、意欲や気分の高揚がみられます。しかし、不安感が高まりやすく、薬物の使用をくり返すことで幻聴、被害妄想などが出現します。
大麻や麻薬は理性的な脳の動きを鈍くし、特に麻薬は心身両面に強い依存症をもたらせます。近年、大麻の使用者も増えており、若い年齢であるほど悪影響が現れやすいとされています。視覚や聴覚を中心とした知覚の変容もあり、不安や抑うつ症状が強まることもあります。
治療薬で用いられる処方薬も依存の対象となることがあります。特に、睡眠薬や抗不安薬の乱用には注意です。効果が感じられなかったり、苦しくなった時に、自分の判断で薬の使用量を増やしたりしています。次第に、薬がないと不安が強くなり、薬から離れられなくなります。
市販薬や市販品の薬にも要注意です。入手が簡単なため手に入りやすく乱用が起こりやすいです。大量服薬を繰り返していくと、使用を中止することで全身の倦怠感や焦燥感などの激しい離脱症状が出現します。
ギャンブル依存症とは
ギャンブルはアルコールや薬物と同様に脳に変化を生じさせます。
パチンコ・スロットなどの遊戯や公営ギャンブルなど、趣味や何かしらの理由から始まった行為も、くり返しやり続けることにより脳に変化が生じていき、予算や時間の制限のコントロールが困難になってしまいます。また、ギャンブル行為やお金に関する考え方にも偏りが生じ、やめようとしてもやめられない状態に陥ります。
ギャンブル依存症は日常生活や社会生活、人間関係にも支障をきたし、深刻な借金問題や社会問題(犯罪・育児放棄など)を引き起こすなど、周囲を巻き込む危険性が高い病気です。
ギャンブル依存症の回復には、適切な治療と借金問題に対する正しい解決や弁護士などの法律専門職とのとの連携が重要とされます。
なぜ家族支援が大切なのか?
依存症は大切な人を巻き込んでいく病気です。
誰もが依存症になることで、様々な社会生活上の問題が起こされていきますが、その問題に直面して一番苦しむのは依存症者よりも家族だと言われています。
問題に巻き込まれた家族の心理状態や行動にも変化が出ていき、家族の生活が大変困難な状態となり、心身の健康も著しく低下してしまいます。
さらに問題は、暴力や虐待、貧困、不適切な養育とも密接なつながりがあり、多方面での支援が必要とされます。また、世代間連鎖として、依存症の問題は次の世代へと引き継がれてしまう恐ろしい病です。
家族の生活と命を守り、孤立を防ぐためにも家族への支援は重要です。
よい支え方を実践する
依存症治療においては、家族が回復していくことで依存症者本人の回復にもよい影響を及ぼすとされています。それは、依存症者の起こした様々な社会生活上の問題を本人ではなく家族が解決させてしまったり、本人を変えようとコントロールしてうまくいかなかったりと、本人を変えようとしたかかわり方が結果的に依存症という病気を助長させてしまうことがあります。
それらを防ぐためには、まずは家族が回復の一歩を踏み出すことにあります。
依存症という病気を理解し、病気と本人を分けて考えられるようにしましょう。そして、依存症者との適切なかかわり方を身につけ、様々な問題への対処法を獲得していきます。
本人を変えようとする前に、よい支え方を実践できるようにしましょう。
森口病院の家族支援のご案内
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奇数月|第4月曜日14:00〜16:00
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※上記曜日と時間帯以外でも相談員による電話相談は可能です
当院の依存症治療法は
5つの大きな柱からなります。
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